- 東京都新宿区の路上で、一人の男が突然命を落とした。その男の傍らには、奈良・吉野の天河神社の五十鈴が転がり落ちていた。ある朝、浅見家に懐かしい客が訪れる。光彦(速水もこみち)が幼い頃に可愛がってもらっていた高崎義則(篠田三郎)だ。高崎は能の流派・水上流の長老で、光彦の亡き父は生前、高崎から“お謡い”を習っていた。高崎は、…
- 昭和25年、金田一耕助は弁護士から、アメリカで死んだ座光寺玄蔵の遺産相続の代理人を依頼され、京都の法師村を訪れた。遺言状には、座光寺家とは縁もゆかりもない宮本俊作と、座光寺音禰に6億5千万円を譲渡すると書かれていた。ただし、相続するには、両名が結婚しなければならないという条件付だった。俊作の母・薫も、音禰の父・雷蔵もその条…